音声通話SIMカード市場にIIJmioが参戦
日本通信が、「これをもって、データ通信SIMの価格競争に終止符を打ちます。」と挑戦的なコメントともに「スマホ電話SIMフリーdata」を販売し始めたのが2013年11月。音声通話ができるSIMカードとしては、他にSo-netの「モバイル LTE +Talk Sプラン」があるのみ。そのSo-netがあまり力を入れていないように見えることもあって、もう音声通話は日本通信b-mobileの「スマホ電話SIMフリーdata」で決まりかな・・・そんな空気が蔓延し始めたと思っていました。
しかし、そこに登場したのが IIJmioの音声通話機能付きSIMカード「みおふぉん」。
高速通信が1GBまでついているなど、ただの価格競争ではなく、サービスで競争しようというIIJmioの意気込みが感じられます。やってくれますねえ、IIJmio。ファンになりそう。
IIJmioはビックカメラなど他社と協力してSIMカードを売りだしており、BICSIMなどは「みおふぉん」に公衆無線LANの契約がセットになっているため、合理的に考えればIIJmioと直接契約するよりも、ビックカメラなどを通して契約するほうが合理的です。しかし今回は、新商品開発に敬意を評して、「みおふぉん」を推します。
安さのb-mobile、使いやすさの IIJmio、安全のSo-net
まずはSo-netを含めた三者を比較してみましょう。
プラン名称 | みおふぉん | スマホ電話 SIMフリーdata |
モバイル LTE +Talk Sプラン |
---|---|---|---|
月額料金 | 1900円 | 1560円 | 2676円 |
通話料金 | 20円/30秒 | 20円/30秒 | 20円/30秒 |
無料通話 | なし | なし | 500円分 |
高速通信 | 150Mbps (1GBまで) |
別料金が必要 | 112.5Mbps (500MBまで) |
制限後の低速通信 | 200kbps | 200kbps | 不明(150kbps?) |
高速通信追加 | 300円/100MB | 300円/100MB 1200円/500MB 1560円/3GB |
500円/100MB 2100円/500MB 3800円/1GB |
SMS | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 |
MNP | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 |
初期費用 | 3000円 | 3000円 | 3000円 |
その他 | 高速通信のON/OFFが できるアプリがあります |
高速通信のON/OFFが できるアプリがあります |
カスペルスキーなどの セキュリティサービスが 無料でついています |
こうしてみると、なかなかいい勝負ですね。どこを重視するかは人によって違うでしょうが、合理的に考えてわかりやすいところを確認していきましょう。
IIJmio「みおふぉん」とSo-net「+Talk S」はどちらがいい?
まず、「みおふぉん」と「+Talk S」を比べてみましょう。
月額料金は「+Talk S」の方が、776円高いです。しかも高速通信できるデータ量が「みおふぉん」の1GBに対して500MBしかありません。もし毎月1GB近く使う人であれば、差の500MBは柄で支払うことになります。この追加料金がめっぽう高い!500MB追加すると2100円の上乗せとなり、「みおふぉん」との差は2876円になります。これでは、無料通話分が500円分ついていても、セキュリティサービスが無料でついていても、選ぶ理由がなくなると言っていいのではないでしょうか。
では、追加料金を払わない、つまり毎月500MB程度で収まる人にとってはどうでしょうか。月額料金は776円高いものの、500円分の無料通話が付いていると考えれば、その差は276円。これがセキュリティサービス代だと思えば、どちらを選ぶか悩むところ。
しかし、通話料金については以前の記事でお伝えした、「G-call」や「楽天でんわ」のサービスを使えば、半額(30秒10円)になります。つまり500円分の無料通話と言ってもそれは30秒20円で計算した時のことで、12.5分の音声通話ができる、というものです。30秒10円で計算すると、250円分しか無料通話はついていない、と考えることが可能です。この場合、月額料金の差額776円から250円を引いた、526円がセキュリテイサービス代だということに・・・・・あなたはどう思われますか?
IIJmio「みおふぉん」とb-mobile「スマホ電話SIMフリーdata」はどちらがいい?
次に「みおふぉん」と「スマホ電話SIMフリーdata」を比較しましょう。
月額料金は「みおふぉん」が340円高いです。その分、「スマホ電話SIM」にはついていない高速通信が1GBまで追加料金無しで使えます。高速通信を必要としない、あるいはせいぜい100MB(300円)の追加で済む人であれば、「スマホ電話SIM」の方が安くつくことになります。
しかし毎月1GB近くの高速通信が必要な人であれば、「スマホ電話SIM」ならば追加で2400円(1200円/500MBを2回)も支払うことに・・・いえいえ、それならいっそ3GBのオプションを購入し、追加料金は1560円にとどめましょう。そうすると、「スマホ電話SIM」は月額合計が3120円となり、「みおふぉん」より1220円高くなってしまいます。
ということは、今度は毎月1.4GBくらいまでの高速通信が必要な人であれば「みおふぉん」を選ぶべきです。なぜなら、100MBあたり300円の追加料金となるため、400MBまでの追加に収めれば、「スマホ電話しm」よりも安く済ませることができます。
もちろん、毎月1.4GBを超えて高速通信が必要な人には、「スマホ電話SIM」に3GBオプションを付けたものがお得ということになります。
いやあ、こうしてみると3社とも頑張りますねえ。私見では、So-net はやや劣るが、b-mobileとIIJmioはがっぷり四つ、いい勝負だと感じました。あなたはいかがでしょうか。
合理的なまとめ
- 高速通信が必要ない、あるいは100MB未満で良い人は「スマホ電話SIMフリーdata」
- 高速通信の使用量が、100MBから1.4GBまでの間に収まる人は「みおふぉん」
- 高速通信を、1.4GB以上使用する人は「スマホ電話SIMフリーdata」
- 高速通信は500MB以内であり、かつセキュリティサービスに魅力を感じる人は「+Talk S」
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